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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))
【一般演題】
子宮筋腫合併妊娠 非妊娠側子宮が産道通過障害の原因となった双角単頸子宮合併妊娠の1例
印出 佑介, 里見 操緒, 岩崎 奈央, 小野 修一, 平泉 良枝, 村田 知昭, 鈴木 俊治
葛飾赤十字産院産婦人科
非妊娠側子宮が妊娠側子宮頸部の背側に嵌入して産道通過障害を生じた双角単頸子宮合併妊娠の1例を経験したので報告する.患者は28歳,0回経妊0回経産,身長158 cm,非妊時体重51 kg.自然月経周期で妊娠成立.子宮奇形の疑いで開業医より紹介受診となった.双合診および腟鏡診で子宮腟部および外子宮口は単一であり,腟中隔は認めなかった.経腟超音波断層法にて双角子宮および右側子宮内妊娠が確認され,経腹超音波断層法にて母体の両側腎臓は正常に描出された.経過中の胎児発育および羊水量は正常範囲にあった.妊娠37週の健診で子宮腟部背側に小手拳大の腫瘤を触知した.超音波画像上,Arias-Stella反応と考えられる高輝度の肥厚内膜を有する径90×80×65 mm大の非妊娠側子宮が妊娠側子宮頸部の背側に嵌頓し,内診上も児頭下降を妨害していた.子宮の重複奇形による産道通過障害の診断で妊娠39週2日に選択的帝王切開術を施行し,2944 gの女児を娩出した.Apgarスコアは1分値8点,5分値10点,臍帯動脈血pHは7.323,総出血量は760 gであった.双角子宮の非妊娠側子宮は重複子宮と同様に分娩の障害となる場合がある.子宮奇形症例では非妊娠側子宮の位置も経時的に把握して管理する必要がある.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3)
295-295, 2009
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