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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
合併症妊娠1
妊娠後期に急性膵炎を誘発した重度脂質代謝異常症の一例


花岡 立也1), 市川 美和2), 松村 英祥2), 村山 敬彦2), 高井 泰1), 斉藤 正博2), 高木 健次郎2), 林 直樹1), 馬場 一憲2), 関 博之1)
埼玉医科大学総合医療センター産婦人科1), 埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター母体・胎児部門2)


今回我々は妊娠後期に重度脂質代謝異常症を認め,急性膵炎を誘発した症例を経験したので報告する.■症例は29歳,1回経妊1回経産.家族歴・既往歴・既往妊娠歴は特記事項なし.近医でhMG-hCG-タイミング妊娠.初〜中期の妊娠経過は順調で血液検査上の異常はなかった.妊娠35週2日の血液検査で乳糜血清を認めたが,自覚症状なく経過をみた.妊娠35週6日より突然の心窩部痛と食思不振を自覚し前医受診.産科異常はなく,TG 8872mg/dl,T-chol 1352mg/dlと異常高値を示し当院へ母体搬送となった.当院でも乳糜血清,TG・T-cholの異常高値と血液濃縮を認めた.PIH(妊娠高血圧症候群),HELLP症候群,AFLP(急性妊娠脂肪肝)等は否定的で妊娠合併症はなく,血清アミラーゼ131u/mlと軽度上昇を認めた.以上より脂質代謝異常症に伴う急性膵炎を疑った.入院時に子宮口開大を認めており分娩促進により順調に進行し同日分娩に至り2224gの女児,Apgar score 8点(1分),9点(5分)を出生した.分娩後直ちに腹部造影X線CTを撮影し,急性膵炎の診断で蛋白分解酵素阻害薬投与,食事療法等を開始.TG・T-cholは速やかに減少し,産褥18日目に全身状態良好のため退院となった.また児は出生後経過良好で,脂質代謝異常症は認めていない.■本症例は非家族性・非遺伝性の重度脂質代謝異常症であり,また血清アミラーゼの優位な上昇を認めなかったため急性膵炎の診断に至るまでに時間を要した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 299-299, 2009


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