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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
合併症妊娠2
肺好酸球性肉芽腫症合併妊娠の1例


早田 英二郎, 松田 秀雄, 川村 季美恵, 長谷川 ゆり, 吉田 昌史, 古谷 健一
防衛医科大学校産婦人科


肺好酸球性肉芽腫症は,Langerhans細胞の増殖と好酸球浸潤による病変が主として肺にみられる疾患であり,再発する気胸のため呼吸機能が低下し,重症例では肺移植が必要になることもある.我が国では患者総数約160人と推定されており,20〜40歳の男性に好発する.今回我々は,妊娠中に自然気胸の再発を繰り返しながらも生児を得る事が可能であった症例を経験したので報告する.症例は20歳,初産.喫煙歴:20本/日×3年.16歳時に両側の多発肺嚢胞に伴う自然気胸のため当院胸部外科紹介なった.胸腔鏡下右肺部分切除術にて好酸球性肉芽腫と診断された.以後,気胸再発時には脱気または胸腔ドレナージで対処していた.20年9月に自然妊娠のため胸部外科より当科併診依頼があり,慎重に妊娠管理の方針とした.胎児の発育は週数相当で妊娠経過順調であったが,妊娠27週に両側気胸が再発し低酸素状態となったため胸部外科へ緊急入院.両側胸腔ドレナージにて症状経過したものの,原疾患増悪のため分娩後に肺移植を行う方針となった.母体の呼吸状態を慎重に観察しながら妊娠を継続し,妊娠34週に帝王切開にて1900gの女児を出産した.産褥は母児ともに異常なく経過し,現在肺移植に向け準備中である.肺好酸球性肉芽腫症を合併した妊娠はきわめて稀であり,我が国では文献的報告は見当たらない.本症例においても,妊娠に伴う原疾患の増悪,呼吸機能低下の懸念から当初人工妊娠中絶も考慮に入れたが,呼吸器外科との連携のもと生児を得ることが可能であった.今回の経験により,同様の疾患を持つ若年女性にとって妊娠,出産への大きな可能性を示すことができると考える.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 300-300, 2009


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