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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))
【一般演題】
合併症妊娠3 当院で経験した下垂体性疾患の2例
小島 淳哉, 金 成一, 芥川 修, 加塚 祐洋, 高木 美樹, 舟山 仁, 井坂 惠一
東京医科大学産婦人科
妊娠中の脳腫瘍合併率は非妊娠時のそれと同様,およそ1万人に1例といわれている.脳腫瘍合併妊娠による母体死亡は全母体死亡の約8%を占め,その周産期管理が重要である.今回我々は,妊娠中期から後期に視野障害を認めた下垂体性疾患2症例を経験したので報告する.症例1は27歳,1経妊1経産.23歳および25歳時に下垂体腫瘍亜全摘術の既往がある.妊娠17週時に当科紹介受診となった.妊娠13週頃より視野障害が出現,下垂体腫瘍の再発を疑い,MRI検査を施行したところ23mm×24mmの下垂体腫瘍を認めた.次第に視野障害が増悪してきたため,妊娠33週5日に帝王切開術を施行した.児は1724g,Apgar score 8点であった.その後下垂体腫瘍亜全摘術を行った.症例2は34歳,0経妊0経産.既往歴は特記すべきことなし.妊娠32週に霧視を訴え,視野障害が認められため当科を紹介受診となる.頭部MRIにて下垂体腺腫の診断であった.また視野検査では両耳側半盲を認めた.出産予定日が近かったので,分娩後に治療を予定した.妊娠39週にて2834gの男児をApgar score9点にて分娩した.その後精査の結果,リンパ球性下垂体炎が疑われたためステロイド療法を行い,視力・視野の著明な改善を認めた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3)
301-301, 2009
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