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 第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))
 
 【一般演題】
 子宮筋腫
 静脈内平滑筋腫症の一例
 
 今井 一章, 武居 麻紀, 粒来 拓, 青木 茂, 佐藤 美紀子, 高安 義弘, 安藤 紀子, 茂田 博行
 横浜市立市民病院産婦人科
 
 
 静脈内平滑筋腫症は,良性平滑筋組織が子宮の静脈内に広範に結節状に増殖する稀な疾患である.時に下大静脈,心臓(右心)まで連続的に広がり,致死的になることがある.今回,我々は静脈内平滑筋腫症の一例を経験したので報告する.症例は47歳.3経妊2経産.近医より増大する骨盤内腫瘤を指摘され,精査加療目的にて当院紹介受診となった.内診上,子宮は臍上まで達し,やや軟.経膣超音波にて子宮と連続する内部不正な充実性腫瘤を認めた.子宮頸部,内膜細胞診陰性.骨盤MRI検査では子宮体部より臍上部へ達する径30cmの巨大腫瘤が認められ,内部信号は多彩であった.腹部骨盤単純CTでは腫瘤内部は不均一な濃度を呈し,リンパ節腫大は認めなかった.血液検査上,CA125の軽度上昇(57.5)を認めた他,異常所見はなかった.急速に増大した臨床経過より,巨大変性子宮筋腫よりも子宮肉腫を疑い,単純子宮全摘術+両側付属器摘出術を施行した.手術時,右卵巣静脈の著明な拡張が認められた.子宮は全体として10.2kgであった.病理診断において静脈内に腫瘍塞栓を認め,腫瘍本体の中にも血管内と見られる像が存在することより,静脈内平滑筋腫症と診断した.画像上,腫瘍の下大静脈などの大血管内への残存はなく,完全摘出と判断した.現在のところ,腫瘍の再発,自覚症状の訴えなく経過観察中である.
 
 
 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3)
		304-304, 2009
 
 
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