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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
子宮筋腫
腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術の4年後に子宮筋腫が腹壁再発した一例


平池 修, 大須賀 穣, 山本 直子, 竹村 由里, 甲賀 かをり, 廣井 久彦, 藤本 晃久, 百枝 幹雄, 久具 宏司, 矢野 哲, 武谷 雄二
東京大学医学部附属病院女性診療科・産婦人科


【背景】子宮筋腫は手術により治療を行うことが多く,腹腔鏡を使用ないし併用することにより入院期間の短縮を図ることが可能である.腹腔鏡を併用して子宮筋腫核出術を施行する場合,開腹手術では考えられないような合併症が生じる可能性があることを念頭におかなくてはならない.【症例】27歳未妊未婚女性.径8cm大の筋層内子宮筋腫に対し,当院において2004年腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術を受けた.2008年1月頃より下腹部の小切開創近傍に違和感を覚えたため,8月前医受診,デスモイド腫瘍を疑われ9月に当院紹介受診した.患者には学術研究および倫理上の同意を文書において得た.【結果】精査の結果,デスモイド腫瘍または子宮筋腫の腹壁再発を疑われ,経過観察中に腫瘍径増大をみたため,2009年2月に当院において腹壁腫瘍除去術を行った.腹壁腫瘍は主に筋膜直下に存在し,腹膜を貫き腹腔内に到達していた.組織学的精査の結果,腫瘍は子宮筋腫の再発であるものと考えられた.【結論】腹腔鏡下子宮筋腫核出術施行後,腹腔内および腹壁に子宮筋腫が再発した症例報告はあるものの,腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術後に子宮筋腫が異所性再発をみた症例は本症例が初である.子宮筋腫の細切を行う筋腫核出術の場合,本症例と同様に,異所性再発をする可能性があることを念頭に置き,説明をした上で,手術療法を選択したほうが良いものと考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 305-305, 2009


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