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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
術式の工夫と麻酔
児頭外回転において硬膜外麻酔の併用の有用性


浅井 一彦, 松田 秀雄, 吉田 昌史, 長谷川 ゆり, 吉永 洋輔, 古谷 健一
防衛医科大学校産婦人科


【目的】2001年のコクランデータレビューによって児頭外回転術の有用性が再確認された.さらに児頭外回転における硬膜外麻酔や脊椎麻酔併用の成功率は44.0〜66.7%と報告されている.我々の施設でも児頭外回転の際に硬膜外麻酔を併用しているので,その有効性について検討した.【方法】2001年から2009年6月までの間に妊娠35〜36週の非頭位の単胎で,胎児機能不全を示していないものを対象とした.胎盤の位置,臍帯巻絡の有無,羊水量を超音波で確認し,前置胎盤,前期破水,子宮奇形,胎児重症奇形および分娩開始者は研究から除外した.プロトコールは施設倫理委員会の承諾を得ており,すべての処置に対して文書で同意を得た.麻酔群と非麻酔群の間で児頭外回転術の成功率を比較し,成功を左右する因子について解析した.【結果】この研究期間中の全分娩数は4838件であり,外回転術の適応があり研究に参加した非頭位妊娠は86件であった.塩酸リトドリンによる子宮収縮抑制剤使用のみの非麻酔群は34件,子宮収縮抑制剤に加えて硬膜外麻酔を併用した麻酔群は52件であった.両群間に年齢,妊娠回数,BMI,胎盤の位置に有意差は認めなかった.非麻酔群34件のECV成功率は55.9%(19例)に対し,麻酔群52件のECV成功率は78.8%(41例)であり,統計学的に有意差を認めた(relative risk:1.75,95%confidence interval:1.26,2.44,p=0.013).また,硬膜外麻酔以外にECV成功を決定する因子としてBMI,胎位,子宮筋腫の有無を解析したが,有意な決定因子はなかった.【結論】骨盤位における児頭外回転術に対して,硬膜外麻酔を併用することは有意に成功率を上昇させる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 307-307, 2009


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