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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
感染症
急速に敗血症性ショックに至った卵巣膿瘍の1例


松岡 歩, 楯 真一, 三橋 暁, 碓井 宏和, 木原 真紀, 平敷 好一郎, 鶴岡 信栄, 山地 沙知, 宮西 香里, 小野 亜希子, 長田 久夫, 生水 真紀夫
千葉大学産婦人科


【はじめに】卵巣膿瘍から急速に敗血症性ショックに至り,集学的治療により漸く救命できた一例を経験したので報告する.【症例】51歳,2回経妊2回経産.42歳時左子宮内膜症性嚢胞に対し腹腔鏡下左付属器切除術を受けた.49歳時右子宮内膜症を指摘され,以後近医で経過観察を受けていた.200x年4月15日起床時より,右下腹痛があり近医を受診した.付属器膿瘍・プレショック状態と診断され,当院に緊急搬送された.来院時,血圧は82/60mmHg,脈拍数110回/分,体温38.6℃で意識レベルの進行性低下が認められた.白血球(1800/μl)と血小板(25,000/dl)の低下,IL-6(1148,000pg/ml)の上昇を認めた.右卵巣膿瘍(8cm)に自発痛と圧痛を認めたが,筋性防御や反跳痛は見られなかった.敗血症性ショックと診断し,緊急開腹術を施行した.腹腔内は強い癒着により分画されており,肥厚した嚢胞壁をもつ右卵巣膿瘍を切除した.術後,MOFとなりICUにて3週間の管理を行った.抗生剤投与・呼吸・循環管理のほか,高サイトカイン血症・腎不全に対して持続的血液濾過透析を実施した.培養検査では大腸菌が検出され,病理検査では右子宮内膜症・右卵巣の炎症と診断された.一般病棟転棟後に,右付属器領域に再び膿瘍が形成され,経腹的持続ドレナージと抗生剤投与により治療した.【考察】卵巣膿瘍は子宮内膜性嚢胞に合併することがある.本症例では,高度の腹膜癒着があったため,汎発性腹膜炎をきたすことなく重症の敗血症へと進展した可能性がある.迅速な診断と集学的治療が大切と考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 311-311, 2009


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