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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
感染症
幼少時にDPTワクチンを接種した妊婦が百日咳に罹患した1症例


厚木 右介, 高橋 佳容子, 山田 哲夫, 石田 洋一, 若佐谷 敦, 大和田 倫孝, 佐藤 郁夫
国際医療福祉大学病院産婦人科


【はじめに】百日咳は3種混合(DPT)ワクチン未接種の乳幼児に発症することが多く,特に新生児期は重篤になり致死率が高く,周産期管理上注意すべき重要な感染症である.今回我々は,幼少時にDPTワクチンを接種していた妊婦が,妊娠35週に百日咳と診断された症例を経験したので報告する.【症例】症例は31歳,2経妊2経産(帝王切開2回).妊娠30週頃に咳嗽が出現し近医を受診し,急性上気道炎の診断にてアジスロマイシンを3日間内服した.咳嗽は出現から1ヶ月後(妊娠35週)も改善しないため,再び近医を受診し,百日咳と診断され,さらにアジスロマイシンを3日間内服した.症例は妊娠37週で選択的帝王切開を予定していたが,咳嗽が消失しないため,帝王切開を延期し,隔離下にさらにクラリスロマイシンを1週間内服した.その後咳嗽が消失したため,妊娠38週で帝王切開を施行し,術後母児ともに理学所見及び血液検査上も特に問題なく経過し退院した.【まとめ】本邦では乳幼児へのDPTワクチン接種が義務化されており,成人が百日咳に罹患することは稀と考えられていたが,近年,成人の百日咳罹患数は増加傾向にあり,集団感染例も報告されている.また,成人の百日咳は症状が軽微なため,上気道炎と診断され百日咳を見逃されている可能性がある.さらに,百日咳と診断された妊婦が感染源となって児が罹患した場合,重篤化する危険性が高い.このことから,妊婦が長期に咳嗽を訴えた場合,百日咳を念頭においた検査を行い,百日咳と診断された場合には充分な加療後に分娩へ導くことが重要であると考えた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 312-312, 2009


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