|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))
【一般演題】
感染症 日本人におけるパルボB19ウイルス抗体保有率の推移
川嶋 章弘, 松田 秀雄, 吉田 昌史, 長谷川 ゆり, 吉永 洋輔, 古谷 健一
防衛医科大学校産婦人科
【目的】母体や胎児に影響を及ぼすとされるウイルスにサイトメガロウイルス(CMV),パルボウイルスB19(PB19),風疹ウイルス,麻疹ウイルス等があるが,当院における最新の妊婦の抗体保有率を解析することによって問題点を再確認することを目的とする.【方法】2004年から2007年の間に当院を受診した1393名の妊婦に対して,麻疹IgG(EIA間接法)(指数4.0以上を陽性),風疹HI価(8倍以上を陽性),CMV-IgG(EIA法)(6.0UA/ml以上を陽性)を測定した.一方,PB19に関しては無作為抽出により136名分の保存血清を用いて,網羅的にPB19-IgG(EIA法)(指数1.0以上を陽性)を調べた.検体の採取解析に際しては施設倫理委員会の承認を得た.【結果】麻疹抗体陽性者は87.7%,風疹抗体陽性者は82.7%であり,双方とも若年者の抗体価が低い傾向を示していたが,4年間で抗体価に変化はなかった.CMV抗体陽性者は70.8%であり近年減少傾向を認めた.一方,PB19抗体陽性者は136名中87名(64.0%)であった.【結論】ウイルス毎の抗体測定法における有用性について考察を示す.周産期管理において対応に苦慮する感染症は,近年の抗体保有率や周囲への流行等を常に把握し適切に対処することが求められる.また,適切な検査法について考察を加えたので報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3)
312-312, 2009
|