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<< 学会誌へ戻る 【目的】Mullerian carcinomaはパクリタキセル，カルボプラチン併用療法（TC療法）が奏効しやすい癌腫であるが未分化悪性腫瘍は効果が不十分なことが多い．TC療法が著効果した腹膜原発と考えられる未分化悪性腫瘍の1例を経験したので報告する．【症例】56歳の女性．急激な腹満を主訴に前医受診し腹部充実腫瘍を認め当科紹介となった．来院時，腹部は著明に膨隆し腹腔内全体をしめる充実性腫瘍を認めた．腫瘍マーカーではCA125 344，SCC 7.7，LD 1100と上昇していた．開腹したところ腹水は中等量で柔らかい腫瘍が腹腔内に充満しており「手ですくうよう」に腫瘍を摘出し，腫瘍摘出＋TAH＋BSOを行い可及的に摘出した．腫瘍は病理で腫瘍は小型でN/C比の高い強い異形を伴う細胞からなり組織型の決定が困難なほど未分化な腫瘍であった．左卵巣内部にも同様の所見があるため原発を左卵巣と考えた．ケラチン一部陽性，ビメンチン陽性であるもの筋繊維マーカー，神経内分泌マーカーは陰性であった．中皮マーカーも陰性であった．術後2週後には術前と同程度まで腫瘍は増大した．TC療法を6サイクル行い画像的には腫瘍は完全消失した．二次的腫瘍減量術を試みたが腫瘍は病理学的に完全消失した．初回手術から2.5年現在，再発を認めていない．【結論】TC療法が著効した左卵巣原発と考えられる未分化悪性腫瘍の1例を経験した．腫瘍の原発，組織型については議論が分かれるところだが鑑別文献的考察を含め報告する． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 314-314, 2009 |
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