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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍1
高年で発症した卵黄嚢腫瘍の一例


伊熊 慎一郎, 須賀 新, 鈴木 敏史, 山本 恵理子, 楠木 総司, 木村 美葵, 寺尾 泰久, 竹田 省
順天堂大学産婦人科


【緒言】卵黄嚢腫瘍(yolk sac tumor)は全卵巣悪性腫瘍中の1%で,発症平均年齢は18-25歳に好発する.進行例では予後不良であったが,化学療法の進歩により予後の改善を認めている.今回,術前に上皮性卵巣癌と診断した高年発症の卵黄嚢腫瘍の一例を経験したので報告する.【症例】40歳,2経2経産.2ヶ月前より腹部膨満感を主訴に前医受診,卵巣腫瘍が疑われたため,当科受診.超音波上,充実部を認める卵巣腫瘍を認め,骨盤MRI上,被膜は不整肥厚,多数の隔壁を持つ,造影効果の強い充実部と嚢胞部が混在する18cm大の卵巣腫瘍を認めた.PET-CT上,卵巣腫瘍充実部に一致したFDGの集積を認めた.腫瘍マーカーCEA,CA19-9,CA125はいずれも正常値であった.以上より,上皮性卵巣癌と診断し,手術の方針とした.術式は左附属器切除術を行い,術中病理検査で,卵黄嚢腫瘍と診断された.永久標本で腫瘍細胞が血管周囲に配列するSchiller-Duval bodyが網状領域に認められ,確定診断となった.術前保存血清でAFPは9284ng/mlと高値であった.現在術後化学療法はBEP(ブレオマイシン,エトポシド,シスプラチン)療法を3コース施行中で,再燃は認めていない.【考察】本症例では,MRI上,充実部と嚢胞部が混在し,充実部には著明な造影効果を認めたこと,年齢が40歳でと高年であったことより上皮性卵巣癌を考えた.既報では,卵黄嚢腫瘍の発症年齢が40歳以上では稀であるといわれているため,念頭においていなかった.本症例でもAFPは高値であり,AFP測定を施行していれば,術前診断が可能であったと思われた.術中迅速病理診断と術前のAFP計測の重要性を再認識させられた症例であった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 315-315, 2009


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