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【原著】
開業助産師から分娩後異常出血のために当科へ搬送された症例に関する検討


水主川 純, 中西 美紗緒, 桝谷 法生, 定月 みゆき, 五味淵 秀人, 箕浦 茂樹
国立国際医療センター戸山病院産婦人科


 産科大量出血は様々な原因により急激に発症,進行することが多く,適切な緊急対応を要する.開業助産師による管理下,助産所や自宅でおこなわれた分娩において産科大量出血が生じた場合,医療機関への搬送が必須である.2006年1月から2008年12月までの期間に開業助産師から異常出血のため当科へ搬送された6例を対象とし,母児の背景,出血の原因,出血量,搬送前および後の対応について検討した.初産婦が5例,母体平均年齢は32.1歳であった.全例,満期産であり,分娩場所は助産所5例,自宅1例であった.出血の原因は弛緩出血2例,腟壁血腫2例,胎盤遺残1例,卵膜遺残1例であった.分娩から当院への搬送到着までの平均時間は3.8時間であった.搬送前の平均出血量は787.8 mlであり,2例は開業助産師により薬剤投与がなされた.搬送到着時の平均ショック係数は1.0であり,搬送後は子宮収縮剤投与,腟壁血腫除去術などの対応をした.全例,搬送前と搬送後の総出血量は1,500 ml以上であり,3例は2,000 ml以上であった.4例に輸血を施行したが,母体死亡や子宮摘出を要した者を認めなかった.Rh血液型不適合妊娠や妊娠性血小板減少症などを合併する者を認め,助産所業務ガイドライン遵守していたと思われた症例は1例(17%)であった.助産所や自宅で分娩を希望する者はより自然な分娩への希望が強いと思われる.その希望のあまり,緊急時の対応や搬送時期の遅延は回避すべきであり,産科大量出血が生じた場合,安全性確保のために適切な搬送が望まれる.

Key words:Postpartum hemorrhage, Maternal transport, Maternity home

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(4) 341-346, 2009


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