境界悪性傍卵巣腫瘍の1例｜一般社団法人関東連合産科婦人科学会

　関東連合産科婦人科学会会誌オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
 << 前のページへ戻る

【症例報告】
境界悪性傍卵巣腫瘍の1例

矢作　奈美子^1）, 栗林　靖^1）, 和田　康菜^1）, 大熊　克彰^1）, 水原　浩^1）, 相田　芳夫²⁾, 鈴木　直³⁾, 小林　陽一³⁾, 木口　一成³⁾, 石塚　文平³⁾
^1）川崎市立多摩病院産婦人科, ^2）同　病理学, ^3）聖マリアンナ医科大学病院産婦人科

　傍卵巣腫瘍は卵管・卵巣周囲に発生するため術前に診断されにくく，卵巣腫瘍として手術し，術中に発見されることがほとんどである．傍卵巣腫瘍は一般的に広靱帯腫瘍に含まれ，臨床的には卵巣腫瘍と同様である．そのほとんどが良性腫瘍であり，境界悪性および悪性の報告例は少ない．　今回我々は，境界悪性傍卵巣腫瘍の一例を経験したので文献的考察を含め報告する．症例は，卵巣内膜症性嚢胞の診断にて腹腔鏡下手術を施行したところ，約5 cm大の傍卵巣腫瘍を認め摘出した．腫瘍内容は淡黄～褐色漿液性であり，内腔にて乳頭状構造を呈する病変を認めた．病理診断は漿液性嚢胞腺癌（境界悪性）であった．術後半年の外来経過観察中に再発徴候を認めていない．

Key words：para ovarian tumor, low malignant potential

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(4) 373-377, 2009

Page Top↑

一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局　〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL：03-3288-0993　FAX：03-5275-1192　E-mail：kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会