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【症例報告】
外陰部に発生した巨大angiomyofibroblastoma(血管筋線維芽細胞腫)の1例
高島 明子1), 石田 洋昭1), 深谷 暁1), 矢野 ともね1), 木下 俊彦1), 亀田 典章2), 蛭田 啓之2)
1)東邦大学医療センター佐倉病院産婦人科, 2)同 病院病理
直径20 cm,重量3 kgの巨大Angiomyofibroblastoma(AMF)を経験したので報告する.症例は53歳,1経妊1経産.3年前から外陰部に腫瘤を触知,徐々に増大し外来受診した.右大陰唇より有茎性に発生する小児頭大の可動性良好な腫瘍を認め,腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は血管に富み手術時の出血量は2,772 mlに及んだ.切除検体は20×19×10 cm大の弾性軟の境界明瞭な腫瘤であり,割面は白色で一部に粘液豊富な産生を示す領域が混在していた.組織学的所見では腫瘍の辺縁部に平滑筋組織が層状に認められ,内部はその変性によるmyxoid degenerationとepithelioid patternを示す細胞配列を示し,hypervasucular, fibromyxoidな背景を有していた.大小結節性に細胞密度の高い領域が混在し,腫瘍細胞は多角形〜短紡錘形で類円形〜やや不整な核と淡い好酸性の胞体を有しており,類上皮性の配列も見られた.核分裂像は認めなかった.免疫組織学的にはVimentin, Estrogen receptor, Progesteron receptorが陽性であった.本症例は発育形態及び腫瘍径が非典型例であるが,肉眼的,組織学的,免疫組織学的にAMFと診断した.
Key words:angiomyofibroblastoma, vulva
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(4)
379-385, 2009
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