 |
|
  |
|
         
|
<< 学会誌へ戻る 卵巣癌の小腸転移は，腹膜播種または直接浸潤によるものが多いとされており，その報告は少ない．今回我々は，腹膜病変を伴わずに，小腸に孤立性転移するという奇異な転移パターンを示した卵巣癌の1例を経験したので報告する．症例は59歳女性で，腹痛，発熱を主訴に来院した．精査にて，卵巣癌のS状結腸浸潤を疑い，緊急手術を施行した．S状結腸と交通した卵巣腫瘍を認めた他，小豆大の小腸の孤立性腫瘍を3か所に認め，単純子宮全摘出術，一塊となった卵巣腫瘍とS状結腸の腫瘍の摘出および対側の付属器切除術，結腸吻合術，小腸転移巣摘出術を施行した．病理組織学的検査では，卵巣腫瘍は，clear cell adenocarcinoma，小腸腫瘍は転移巣であると診断され，FIGO分類でStage IIIbと考えられた．患者は術直後の腹部CT検査で多発性肝転移を認めたが，パクリタキセル＋カルボプラチン療法6クール施行し，肝転移巣は縮小傾向，新たな再発兆候は認めていない． Key words：ovarian carcinoma, metastatic tumor, small intestinal tumor, clear cell adenocarcinoma 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(4) 407-410, 2009 |
||
|
一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内 TEL：03-3288-0993 FAX：03-5275-1192 E-mail：kantorengo@jsog-k.jp Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会 |