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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
優秀演題婦人科
・当院における子宮体癌早期例のリンパ節郭清省略についての検討


高橋 伸卓, 久慈 志保, 武隈 宗孝, 永井 景, 樋田 一英, 平嶋 泰之
静岡県立静岡がんセンター婦人科


【目的】子宮体癌のリンパ節郭清の適応,範囲については施設により様々である.近年では縮小手術の必要性も求められている.当院では現在T1a,G1症例(TNM分類)についてはリンパ節郭清を省略している.当院における子宮体癌のリンパ節郭清例を対象とし,早期例におけるリンパ節郭清の省略の可能性について検討した.【方法】2002年10月から2009年12月までに当院で子宮体癌と診断しリンパ節郭清を施行した260例のうち,pT1症例での筋層浸潤,組織分化度,脈管侵襲とリンパ節転移との関連について検討した.【成績】進行期の内訳は1期146例,2期32例,3期75例,4期7例であった.pT1の161症例中,リンパ節転移例は15例(9.3%)で傍大動脈リンパ節転移率は4.3%(7/161),骨盤リンパ節転移率は9.3%(15/161)であった.pT1a 19例ではリンパ節転移はなく,pT1b 98例中9例(9.1%),pT1c 44例中6例(13.6%)に転移を認めた.組織分化度を加味すると,pT1b,G1では42例中2例(4.7%),pT1b,G2では35例中2例(5.7%),pT1b,G3では7例中4例(57.1%)にリンパ節転移を認めた.また,pT1b,G1/G2のリンパ節転移陽性症例の筋層浸潤はすべて20%以上であった.そしてpT1のリンパ節転移陽性15例のうち,pT1bでは9例中8例(88.8%),pT1cでは6例中3例(50.0%)に脈管侵襲を認めた.【結論】T1aとT1b,G1/G2症例で筋層浸潤が20%未満,脈管侵襲陰性の症例ではリンパ節郭清を省略できる可能性が示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 204-204, 2010


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