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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
異所性妊娠@
・IUI後に発生した,両側卵管峡部妊娠,左卵管破裂の1例


葭葉 貴弘, 馬場 洋介, 今吉 真由美, 田中 均, 大口 昭英
芳賀赤十字病院産婦人科


IUI後に異所性妊娠が多発するかどうかは不明である.今回IUI後の両側卵管峡部妊娠,片側卵管破裂を経験したので報告する.患者は28歳,2経妊1経産.挙児希望にて前医を受診した.子宮鏡下両側卵管再疎通術が行われ,両側卵管の疎通性が確認された.シクロフェニルが投与されたが排卵せず,クロミフェン100mg/dayが投与された.D17に右卵巣に31mmの卵胞が1つ確認されIUIが施行された.同日hCG10000単位を筋注された.妊娠反応が陽性になったら受診するよう指示されていたが,妊娠反応陽性を確認後未受診であった.7週0日22時ごろ突然腹痛が出現したため翌日0時に当科に救急車搬送された.来院時血圧74/47,脈拍数61(SI0.82)であり,意識レベルはJCS2-10であった.来印字のHb10.2g/dlであった.モリソン窩に達する大量の腹腔内出血を認めた.卵管妊娠破裂を強く疑い緊急開腹.腹腔内出血は2000ml.右側卵管峡部に1.5cm大の暗赤色の腫瘤を認めた.また左側卵管峡部に1.5cm大の腫瘤を認め,その一部が破裂し出血していたため両側卵管切除術を行った.術中の血圧は80/40,脈拍70でありHb4.9g/dlのためRCC9単位を輸血した.また産科DICスコア4点で出血傾向のためFFP10単位輸血,ノイアート1500単位を投与した.術後の経過は良好であった.病理組織の結果も両側卵管峡部妊娠であった.IUI後に異所性妊娠した報告が散見される.ARTにおいては異所性妊娠の発生に特別な注意が払われるが,IUI後においても異所性妊娠の早期発見に努める必要があるだろう.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 206-206, 2010


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