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<< 学会誌へ戻る 卵管間質部妊娠は稀であるが発生が増加しつつある．従来の楔状切除などの手術療法は以後の妊孕性が低下する場合があり，近年は保存療法の報告が多い．今回，メソトレキセート（MTX）全身療法で保存的に加療し得た卵管間質部妊娠の1例を報告する．症例は34歳，1経妊，未経産．前医でクロミッド妊娠，妊娠7週の異所性妊娠疑いで紹介．初診時の血中ヒト絨毛ゴナドトロピン（hCG）値は5,073mIU/mlで，経腟超音波検査で子宮腔内に胎嚢は認められなかった．腹腔鏡を行い，子宮・付属器に異常を認めず，子宮内膜掻爬も行ったが絨毛組織は認められなかった．1週間後のhCG値は7,677mIU/mlまで上昇，妊娠8週でMRIでは不明瞭だったが超音波検査により間質部妊娠が判明した．インフォームドコンセントの後，20mg×5日間のMTX全身療法を隔週で4コース行い，hCG値は感度以下まで低下した．MTX療法の合併症は軽度の肝障害が出現したが，徐々に軽快した．早期の卵管間質部妊娠ではMTX全身療法だけで保存療法が成功する場合が多いと思われるが，早期診断が重要であり症例に応じて治療法を選択していくことが必要と考えられる． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 209-209, 2010 |
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