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<< 学会誌へ戻る 頸管妊娠は，異所性妊娠の中でも最も稀な疾患とされるが，近年その発生頻度は，体外受精・胚移植などの不妊治療により増加してきているとの報告もある．かつては流産手術等の際に大量出血を生じ，はじめて診断されることもあり，子宮摘出術を施行されることも多かった．近年，診断技術の向上により比較的早期に診断ができるようになり，保存的治療により，妊孕性の温存が望めるようになりつつある．今回，極めて早期に診断し，MTX全身投与1クールにて完治した頸管妊娠の2例を経験した．症例1は37歳 1経妊0経産，最終月経から6週4日に少量の性器出血を主訴に来院．子宮内にGSを認めず，最終月経から7週0日に頸管内にGS様像が出現し，7週3日にはGSの内部にYolk Sacを認め，頸管妊娠と診断した．症例2は26歳0経妊0経産，最終月経から5週3日に少量の性器出血を主訴に来院．初診時に頸管内にGS様像を認め，5週5日にGSの内部にYolk Sacを認め，頸管妊娠と診断した．2例とも診断した同日より，インフォームドコンセントを得て，MTX全身投与（MTXおよびleucovorinの隔日分割投与）を開始し，症例1では投与後Day14に，症例2ではDay7に大きな出血もなくGSの自然排出に至り，症例1では投与後Day61に，症例2では投与後Day60に血中hCGの陰性化を確認できた．MTX全身投与は，妊娠成分排出の点で効果が少ないともされ，子宮動脈塞栓術や，MTXの追加投与，流産手術を必要とすることも多い．今回は2例とも極めて早期に診断したことで，追加治療を必要とすることなく，良好な経過を示し治癒しえたと考えられた． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 210-210, 2010 |
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