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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))
【一般演題】
子宮体癌 ・増殖期内膜超音波のnon-3-layer patternは閉経前子宮内膜異常の診断に有用である
安部 正和1), 土井 貴之1), 児嶋 裕香2), 内田 季之2), 井深 京子3), 大西 雄一3), 野田 恒夫3)
富士宮市立病院産婦人科1), 浜松医科大学産婦人科2), クリニックミズソフィア産婦人科3)
【目的】閉経前女性の子宮内膜異常において,閉経後女性で有用な内膜厚測定は診断精度が低く,有用な超音波診断法は確立していない.また内膜異常の原因診断には生検が必要である.我々の定義した増殖期内膜のnon-3-layer patternが閉経前内膜異常を高い精度で診断できることを報告したが,症例をさらに集積しその有用性を評価した.【方法】2005〜2009年に内膜吸引組織診と経膣超音波を行った閉経前不正出血患者359人を対象とした.全例増殖期中期に超音波を行い,1)正中線の不整,途絶,消失,2)背景のびまん性または部分的高輝度所見,を異常所見(non-3-layer pattern)と定義した.【成績】病理学的内膜異常は264例(73.5%)に認め,内膜癌,内膜増殖症,内膜ポリープ,内膜炎,ホルモン異常がそれぞれ9,7,212,9,27例であった.non-3-layer patternは263例に認め,sensitivity,specificity,positive predictive value,negative predictive valueはそれぞれ96.2,90.5,96.6,89.6%であった(chi squre test,p<0.001).また内膜異常の約70%が正常内膜厚であった.【結論】non-3-layer patternの診断基準はsonohysterographyや子宮鏡と同等の診断精度であった.閉経前患者では内膜厚よりも増殖期の超音波像を評価する方が有用と考えられ,内膜組織診を行うべき症例あるいは経過観察可能な症例を簡便,低侵襲かつ高い精度で選別できると考えられる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2)
211-211, 2010
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