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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))
【一般演題】
子宮体癌 ・透析下にTC療法を行った慢性腎不全合併子宮体癌症例におけるCBDCAのAUCの検討
土井 貴之1), 安部 正和1), 内田 季之2)
富士宮市立病院産婦人科1), 浜松医科大学産婦人科2)
緒言:透析患者は一般人口と比べ悪性腫瘍の発生率が高いが,透析中の化学療法は不明な点が多い.慢性腎不全合併の子宮体癌症例に対して,術後透析下にTC療法を行い,CBDCAの血中濃度,AUCを検討した.症例:43歳,2経妊2経産,糖尿病性腎症による慢性腎不全で透析中.子宮体部類内膜腺癌にて腹式単純子宮全摘+両側附属器切除+骨盤リンパ節郭清術施行.リンパ節転移あり,3c期の診断,術後TC療法の方針とした.結果:TC療法(PTX:70mg/m2,day1,8,15,CBDCA:day1)を4週毎に行い,透析はCBDCA投与終了150分後から4時間で行なった.1コース目のCBDCAは,125mg/body(Calvertの式よりCCr=0,AUC=5)としたが,AUCは総プラチナ/遊離型プラチナ=4.3/3.1μg/ml・hrであった.過去2例の自験例から,AUC増加を図るため,透析開始までの時間間隔の延長を考慮したが,透析の時間帯を考慮し,間隔を変えずにCBDCA増量の方針とした.2,3,4コース目のCBDCAを150,200,250mgと増量したところ,AUCはそれぞれ4.81/3.23,5.59/3.69,8.01/5.24μg/ml・hrで,遊離型プラチナは4コース目に目標AUCに達した.結語:透析下のCBDCA投与は,投与量,透析開始までの時間間隔ともに様々な報告があり,一定の見解は得られていない.自験例2例および本症例の結果からCBDCA 250mg(150mg/m2)前後を,投与終了2〜3時間後から透析することで遊離型プラチナの目標AUCが得られる可能性が示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2)
212-212, 2010
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