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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))
【一般演題】
子宮体癌 ・当院における子宮体部癌肉腫の検討
東 裕福, 寺本 勝寛, 河野 恵子, 白石 眞貴, 永田 育子, 内田 雄三, 伊藤 敬之, 永井 聖一郎, 池上 淳
山梨県立中央病院産婦人科
【緒言】子宮体部癌肉腫は婦人科領域において比較的まれで予後不良であるとされている.本疾患は子宮体癌に準じた治療がなされることが多いが,系統的な治療法が確立されておらず,明確な予後についても報告が少ない. 【対象】当院における2004年1月〜2009年12月の6年間で病理学的診断にて子宮体部原発の癌肉腫と診断された10例. 【方法】症例の臨床期分類,5年生存率,無病生存率,再発までの期間,治療法などについて検討した. 【結果】年齢の分布は55歳から79歳で平均は63.6歳.病期の割合はI期40.0%,II期20.0%,III期30.0%,IV期10.0%であった.手術療法が9例(単純子宮全摘術3例,準広汎子宮全摘術6例)に施行され,化学療法は8例(術後化学療法は7例)に施行された.全死亡症例は4例で5年生存率66.0%であった.加療中の癌死は1例.再発は4例で,すべて2年以内の再発であった.再発例のうち骨盤内再発は1例で他の3例は遠隔転移での再発(肺転移2例,骨転移1例)であった.組織型による検討ではhomologousでは80.0%がIII・IV期症例であるのに対しheterologousではすべてがI・II期症例であった.両群間での3年無病生存率を比較するとhomologousは80.0%,heterologousでは70.0%であった. 【考察】5年生存率については過去の報告と比較し,やや良好な結果であった.再発症例はすべて2年以内に再発しており,組織型での検討においてheterologousは症例がI・II期のみにもかかわらずの再発率が高い結果となった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2)
213-213, 2010
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