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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
子宮体癌
・顕著な血管新生を伴った子宮内膜間質肉腫の一例


菊池 卓, 望月 亜矢子, 村上 浩雄, 幸村 康弘, 宮部 勇樹, 伊東 宏晃, 杉原 一廣, 金山 尚裕
浜松医科大学産婦人科


【序論】子宮肉腫は女性性器悪性腫瘍の1〜3%を占め,子宮体部悪性腫瘍の3〜7%を占める.子宮肉腫のうち子宮内膜間質肉腫(endometrial stromal sarcoma:ESS)は子宮肉腫の約10%程度と稀な腫瘍である.今回我々は著明に発達した腫瘍血管が破綻しため多量の性器出血を来した低悪性度子宮内膜間質肉腫の症例を経験したので報告する.【症例】49歳,0経妊0経産,既往歴 16歳虫垂炎手術.合併症 特になし.持続する性器出血と骨盤内腫瘤を主訴として当院紹介となる.骨盤内腫瘤は内診上で成人頭大,画像診断にて大動脈にも相当する著明な腫瘍血管の増生を認めた.また,性器出血の持続は著しく腫瘍内に増生した大小の血管破綻によるものと考えられた.治療法として,驚くほど発育した新生腫瘍血管を塞栓することにより出血のコントロールを図り,同時に多量の輸血を行って貧血を改善せしめた後,子宮全摘術を施行する方法を選択した.術中所見は腹腔内播種無し,肉眼的に両側付属器に異常は認めなかった.触診上明らかなリンパ節腫大を認めなかった.子宮表面および子宮周囲の血管は怒張しており動脈塞栓術を施行後に手術を行ったにもかかわらず出血量は5175ccであった.子宮漿膜への進展はなし.また子宮筋層は非薄化していたため病理学的に筋層浸潤の程度は判定できなかった.腹腔内細胞診は陰性で,最終病理組織診断は低悪性度子宮内膜間質肉腫1期(pT1NxM0)であった.術後インフォームドコンセントの上,後療法は施行せず外来経過観察中である.【結論】顕著な腫瘍血管新生に起因する多量の性器出血を来した低悪性度子宮内膜間質肉腫に対し動脈塞栓術後子宮全摘術を施行した稀な症例を経験した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 213-213, 2010


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