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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
子宮体癌
・下大静脈進展を示したendometrial stromal sarcoma low gradeの一例


松岡 歩, 三橋 暁, 加藤 一喜, 植原 貴史, 楯 真一, 碓井 宏和, 宮西 香里, 尾本 暁子, 木原 真紀, 長田 久夫, 生水 真紀夫
千葉大学産婦人科


【緒言】下大静脈内進展と膀胱浸潤をきたしたendometrial stromal sarcoma low grade(ESS-LG)症例に対し,大血管内腫瘍切除・膀胱切除を施行したので報告する.
【症例】患者は54歳の女性で,200X年1月に左下腹部痛を主訴に近医を受診した.子宮から発生し膀胱粘膜に進展した4cm大の腫瘤があり,生検でESS-LGと診断された.腫瘍は両側の子宮傍結合識に浸潤し,左側で骨盤底に達していたことから摘出は困難と判断された.CTで左内腸骨静脈からIVCにかけて造影欠損が認められ,血栓症と診断してIVCに永久フィルターが挿入された.200X年3月より化学療法(CDDP+IFM+ADMを2コース,さらにPTX+CBDCAを3コース)が施行されたが,PDであったため当院に紹介された.ERα陽性・PR陽性であったことから,200X年7月よりアロマターゼ阻害剤の投与を開始した.200X年11月のMRIでは骨盤内腫瘤はSDと判断された.しかしながら,精査の結果,大血管の陰影欠損は血栓ではなく腫瘍の血管内進展であることが判明した.この血管内病変は徐々に増大していると判断されたため,12月8日に前方内臓全摘+両側尿管皮膚瘻増設+左内腸骨静脈切除+下大静脈内腫瘍摘出を施行した.骨盤内腫瘍はほぼ完全に切除されたが,骨盤底の血管内に微細な病変の残存が疑われた.術後放射線治療施行し,現在経過観察中である.
【考察】ESS-LGは,再発率は高いものの比較的長期生存が可能な疾患である.まれに血管内進展することがあり,右心系・肺動脈へと進展すると致命的な心不全をきたす.本疾患では,血管内進展の可能性を念頭におく必要がある.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 214-214, 2010


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