|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第119回学術集会(平成22年6月13日(日))
【一般演題】
優秀演題産科 ・画縁胎盤,周郭胎盤の臨床像
永光 雄造, 有澤 正義, 宮澤 豊
都立大塚病院産婦人科
【目的】胎盤の形態異常として,絨毛膜外性胎盤がある.正常胎盤では絨毛膜有毛部よりなる絨毛膜板と基底脱落膜からなる基底板は同じ長さであるが,絨毛膜板が基底板より短いものを絨毛膜外性胎盤と呼ばれ,画縁胎盤と周郭胎盤がある.表面から観て平坦なものを画縁胎盤といい,表面から観て襞のあるものを周郭胎盤という.臨床的には画縁胎盤は妊娠高血圧症候群(PIH)や子宮内胎児発育遅延(IUGR)の合併が高率であると報告されている.画縁胎盤では,PIH,IUGRだけでなく早剥,羊水減少,non-reassuring fetal status(NRFS),chronic abruption-oligohydroamnions sequence(CAOS)などが知られている.今回我々は,絨毛膜外性胎盤の臨床像を明らかにする.【材料】2009年9月1日から2009年12月31日までに胎盤病理検索した147例である.【結果】147例のうち画縁胎盤が27例,周郭胎盤が1例認められた.臨床像としては27例の画縁胎盤に,IUGR8例,PIH6例,NRFS4例,早産3例認められた.周郭胎盤は出血,早産例であったが,早産,出血以外児の異常,母体の異常は見られなかった.今回の検索の中にはCAOSは含まれていなかった.【考察】頻度は19%と他の報告同率であった.児の異常としては,IUGRやNRFSが高率,母体異常はPIHが高率であった.IUGRやPIHの原因として絨毛膜外性胎盤があることを認識し妊婦に接することが重要である.また絨毛膜外性胎盤は正常胎盤に比べて厚いので日常の超音波検査でも胎盤の形態異常の肉眼像を認識していることは大切である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2)
214-214, 2010
|