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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
優秀演題産科
・妊娠・分娩・産褥期に発作的な神経学的症状を認めた17例の臨床的検討


松本 直樹, 江良 澄子, 長田 まり絵, 鈴木 永純, 松本 智恵子, 高橋 幸男, 山下 恵一
深谷赤十字病院産婦人科


【緒言】近年,妊娠に関連する脳血管障害などに対する産科救急医療体制の改善が講じられ埼玉県では母体救命コントロールセンター事業が開始された.【目的】特に脳血管障害に関連して上記救急システムの対象となり得る患者がどの程度存在するのかを推定すること.【方法】過去5年間で妊娠分娩産褥期に発作的な神経学的症状を認めた症例について後方視的に検討した.【成績】妊娠分娩産褥期に発作的な神経学的症状を認めたのは17症例.母体搬入は6例(妊娠期2例,産褥期4例,搬出例なし).母体年齢は平均28歳.妊娠合併症は無し8例,PIH5例,その他4例.発作の時期は妊娠期2例,分娩期3例,産褥期12例.分娩形式は正常分娩5例,緊急帝王切開9例,選択帝王切開2例,鉗子分娩1例.発作および関連する症状(重複あり,以下同様)は頭痛8例,意識障害5例,痙攣3例,眼球運動障害3例,嘔吐3例,その他4例.緊急検査は採血14例,CT10例,MRI6例,検査せず2例.発作確認から初回脳画像診断までの時間は平均1.3時間.緊急治療を要したのは13例で,硫酸マグネシウム7例,ジアゼパム4例,ニカルジピン5例,急速遂娩4例.発作に関する最終診断はPIH11例,子癇4例,精神障害(解離性転換性障害)4例,RPLS3例,一過性脳虚血発作1例,偏頭痛1例.【結論】当院分娩件数を分母とするとこのような発作を認めるのは0.5%.脳出血例はなかったが,子癇・RPLSなど厳重な管理を要する脳血管障害は対象17例中6例存在した.その一方で高度な治療を要さない精神障害なども6例あった.妊娠に関連する重大な脳血管障害に対して速やかな対応は必要であろうが,症状だけでは診断はつけられず,そのことが臨床上の判断を難しくしている.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 215-215, 2010


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