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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
優秀演題産科
・羊水過多82症例の検討


宮西 香里, 尾本 暁子, 山地 沙知, 田中 宏一, 長田 久夫, 生水 真紀夫
千葉大学周産期・母性科


【はじめに】羊水過多を示す疾患には,早産や胎児・新生児死亡に至る予後不良の症例から妊娠中に自然寛解して生児を得ることのできる症例まで幅広い症例が含まれる.今回,われわれは羊水過多82症例について,臨床症状と予後の関連について後方視的に検討したので報告する.【方法】2004〜2009年の間に羊水過多(AFI≧25cmまたは羊水ポケット≧8cm)を認めた82例を対象にカルテ記載を元に解析した.【結果】羊水過多の原因となる疾患を推定できたものは56例(68%)で,胎児疾患が49例(消化管閉鎖18例,嚥下・通過障害16例,染色体異常11例,その他の胎児奇形4例),母体疾患が6例(DM/GDM4例,その他2例)であった.残り26例(32%)は原因が不明であった(特発性).特発性や母体疾患例では,胎児疾患例より羊水量がやや少なく75%の例で分娩前に羊水量が減少に転じていた.これに対し,胎児疾患例では羊水がより多く90%の症例で分娩時まで羊水過多が持続していた.胎児疾患例では19例(39%)(胎児期:7例,新生児期8例,乳児・小児期4例)に死亡がみられたのに対し,特発性ではIUFDが1例(4%)にのみ認められた.このIUFD症例は,第1子が正常,第2子が満期特発性IUFDで,今回(第3子)が38週で再びIUFDとなった症例で,剖検によっても原因が特定されなかった.【結語】胎児疾患例は,羊水量が多く予後不良の症例が多かった.一方,特発性とされた症例の予後は良好であったが,反復例の予後は不良で特定できていない何らかの原因が予後に関与している可能性が考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 216-216, 2010


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