|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第119回学術集会(平成22年6月13日(日))
【一般演題】
優秀演題産科 ・一絨毛膜一羊膜双胎の管理
山田 響子, 大西 庸子, 新井 詠美, 庄田 隆, 天野 完, 海野 信也
北里大学総合周産期母子医療センター
一絨毛膜一羊膜(MM)双胎は臍帯相互巻絡による子宮内胎児死亡の可能性があり,妊娠管理に苦慮するがその管理指針は定まっていない.そこでMM双胎の周産期予後を後方視的に検討した.2003年1月〜2010年1月に経験した双胎は二絨毛膜二羊膜双胎が329組(61.9%),一絨毛膜二羊膜双胎が196組(36.7%)でMM双胎は8組(1.5%)であった.母体の平均年齢は31歳(25〜42歳).初産2組,経産6組で,1組がAIHによる妊娠で,7組は自然妊娠であった.1組は結合双胎のため14週に人工妊娠中絶となり,2組は12週と26週に両児子宮内胎児死亡となった.26週で胎児死亡となった症例は,5日前の健診では両児ともwell beingであったが,胎動感消失を主訴に受診した.胎児死亡の原因は臍帯相互巻絡による臍帯循環障害と考えられた.生児を得た5組は管理入院例で,子宮収縮抑制を行い,頻回に超音波断層法と胎児心拍モニタリングによる胎児評価を行った.臍帯巻絡を4組に認め,診断は平均24週(16〜33週)にされていた.分娩週数は平均31週(24〜37週)でいずれも帝王切開で,その適応は24週1児NRFS,29週陣発,33週前期破水がそれぞれ1組,2組は34週の予定帝王切開であった.胎児水腫を認めた1児は三尖弁形成不全により日令0で死亡した.2児に心奇形(単心房単心室,心室中隔欠損症)を認め手術を必要としたが,いずれも神経学的後遺症はなく,経過良好である.MM双胎8組中入院管理を行った5組に生児を得た.MM双胎では臍帯巻絡を生じ得るので継続的な超音波診断による厳重な胎児監視が必須である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2)
216-216, 2010
|