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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
産褥
・常位胎盤早期剥離に血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)/溶血性尿毒症症候群(HUS)を合併した1例


島田 博美1), 間瀬 有里2), 佐藤 杏月1), 中川 道子2), 坊 裕美1), 立山 尚子1), 西田 直子1), 深見 武彦1), 松島 隆1), 土居 大祐1), 可世木 久幸1), 朝倉 啓文1)
日本医科大学武蔵小杉病院女性診療科・産科1), 日本医科大学女性診療科・産科2)


【緒言】血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)/溶血性尿毒症症候群(HUS)は,血小板減少・溶血性貧血・腎機能障害を呈する.これが妊娠中に発症した場合HELLP症候群などと臨床像が類似するため,その鑑別・治療には困難が予想される.今回我々は常位胎盤早期剥離後のDIC治療中に急速な腎機能悪化を来たし,TTP/HUSを念頭に行った治療が奏功した症例を経験したので報告する.【症例】37歳 0経妊.筋腫合併の他は妊娠経過に異常はなかった.妊娠38週4日頭痛・嘔吐・腹痛・発熱(38.2℃)を主訴に来院した.来院時血圧134/74mmHg,血液検査では凝固系異常(PT・APTT延長,Fib測定不能,FDP1264μg/mL,DD-dimer393.6μg/mL)溶血所見(LDH 1320IU/L,T-Bil 2.14mg/dl)が認められたが血色素量,血小板数は正常であった.また肉眼的血尿がみられた.CTGでは2分毎の子宮収縮と頻発する遅発性一過性徐脈を認めたため緊急帝王切開を施行した.血性羊水,凝血塊がみられ常位胎盤早期剥離と考えられた.術中出血量は2490mlであり,術中より輸血,抗DIC治療を行い,術後1日目にはDICから離脱できた.しかしBUN26.7mg/dl,Cr 2.44mg/dLと腎機能が悪化し,術後2日目にはBUN39.6mg/dl,Cr 3.42mg/dLと上昇し肺水腫,乏尿を来した.腎機能障害が急速に悪化していることからTTP/HUS合併を疑い抗凝固療法(ヘパリン)と術後3日目より血漿交換1回および血液濾過透析を5回行ったところ,臨床症状および腎機能も劇的な改善が見られ術後20日目に退院となった.【考察】周産期領域のDIC所見とHELLP症候群,TTP/HUSは検査所見に類似性を認める.腎機能障害が進行する場合はTTP/HUSも念頭におき治療方針を考慮する必要があると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 217-217, 2010


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