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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
産褥
・産褥期に広範なくも膜下出血を起こし死亡したMarfan症候群合併妊娠の1例


小倉 さやか, 兵藤 博信, 福田 友彦, 亀井 良政, 藤井 知行, 上妻 志郎, 武谷 雄二
東京大学産婦人科


Marfan症候群の予後は医療の進歩により格段に改善したが,妊娠は大動脈解離等の重篤な合併症のリスクを高める.今回の症例は,産褥期に大動脈解離を発症した後,広範なくも膜下出血により死亡に至った.[症例]29歳,1経妊1経産.前回は38週でStanford A型大動脈解離を発症し,帝王切開分娩.その後産褥2ヶ月に大動脈弁温存基始部置換手術を受けた.今回は8週で妊娠初診.心エコー・MRIなどで経時的に心・大血管を観察したが大動脈拡張などの異常所見は見られなかった.βブロッカーの内服は副作用から継続できなかった.妊娠37週,選択的帝王切開で分娩.血圧上昇は無かったが,産褥5日に大動脈弓部から両側総腸骨動脈にかけての解離(Stanford B)を発症した.保存的管理により軽快傾向であったが,産褥9日,突然の激しい頭痛に続き除脳硬直,意識消失.頭部CTで広範なくも膜下出血,椎骨・脳底動脈解離がみられた.手術適応はなく,産褥20日,死亡した.[考察]Marfan症候群合併妊娠の重篤な合併症はほとんどが心大血管病変で,大動脈径拡大の無いものは比較的安全とされてきた.Stanford B型解離は保存的治療できるものが多いが,大動脈径拡大などからの発症予測は困難である.また,これまでの報告では,Marfan症候群と脳動脈瘤や頭蓋内出血との関連性について否定的であり,合併妊娠において頭蓋内出血のため母体死亡に至った報告は今回が初めてである.今回の経験を踏まえたMarfan症候群合併妊娠の管理について提言したい.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 218-218, 2010


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