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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
産科治療・その他
・初期常位胎盤早期剥離の診断にAT-IIIおよびMRIが有効であった1例


石田 洋一, 高橋 佳容子, 若佐谷 敦, 厚木 右介, 山田 哲夫, 黒田 一, 大和田 倫孝, 佐藤 郁夫
国際医療福祉大学産婦人科


【はじめに】常位胎盤早期剥離は,胎児および母体死亡を惹起する産科救急疾患の1つであるが,発症時期を予測することは未だ困難なのが現状である.今回,超音波検査にて常位胎盤早期剥離が疑われた無症状の症例に対して,AT-IIIおよびMRIにより常位胎盤早期剥離をPage分類0期で発見した1例を経験したので報告する.【症例】25歳,1妊0産で,喘息を合併していた.自然妊娠で妊娠初期より当科で妊婦健診を受けており,特に問題なく経過していた.妊娠35週の妊婦健診で下腹痛や性器出血は認めなかったが,経腹超音波検査で胎盤辺縁に1×3cm大の後血腫が疑われた.胎盤肥厚は認めなかった.またこの時点での胎児心拍モニターでは子宮収縮は認めず児心音に異常はなかった.しかし精査をした所,採血ではAT-IIIの著明な低下が認められ,MRIではT2強調画像で胎盤の子宮側に比較的高信号の像が見られた.入院直後に再度行なわれた超音波検査では,胎盤肥厚および胎盤後血腫,胎盤内の不均一な低〜高エコー域が顕著に認められ,常位胎盤早期剥離と診断した.さらに胎児心拍モニターでは児心音の異常はなかったものの,さざ波様の子宮収縮が見られた.本人と治療方針を相談した結果,緊急帝王切開術が施行され,2199gの女児をApgar Score8点(1分)で娩出した.手術所見では,胎盤は通常より容易に用手剥離できたが,胎盤後血腫など常位胎盤早期剥離の所見はなかった.胎盤の病理検査では胎盤内に小血腫を認め,絨毛間にフィブリンの沈着を認めた.【結論】初期常位胎盤早期剥離が疑われた場合,AT-IIIやMRIが診断に有効なことが示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 219-219, 2010


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