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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
産科治療・その他
・塩酸リトドリンを持続静注中に無顆粒球症を来し,骨髄穿刺を行なった1症例


河原井 麗正, 木村 博昭, 井尻 美輪, 江口 修, 小林 治, 神山 正明
国保君津中央病院産婦人科


【緒言】切迫早産の治療で頻用される塩酸リトドリンの副作用に,頻度は稀だが重篤となる無顆粒球症がある.今回我々は,塩酸リトドリン持続静注中に無顆粒球症を来し,骨髄像にて顆粒球系細胞の成熟障害を認め,顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を投与した1症例を経験した.【症例】24才.未経産.既往歴なし.妊娠27週6日,切迫早産の徴候あり塩酸リトドリン(後発薬)持続静注50μg/minから開始し,適宜192μg/minまで増量した.硫酸マグネシウム持続静注も併用した.妊娠31週3日,白血球2800/μL,好中球2%(54/μL)と,無顆粒球症が認められた.直ちに塩酸リトドリン投与を中止して個室へ隔離し,アンピシリン投与を開始した.塩酸リトドリン中止後2日経過しても好中球数は回復せず.血液疾患の除外診断目的に骨髄穿刺した.前骨髄球,骨髄球は多数認められたので,好中球への成熟障害が示唆された.プレドニゾロン30mg/day内服を開始した.翌日,白血球6600/μL,好中球4%(264/μL)と僅かに増加したが,翌々日は白血球2700/μL,好中球5%(135/μL)と減少したため,フィルグラスチム75μg/day皮下注に変更した.その翌日には白血球12100/μL,翌々日は白血球21200/μL,好中球86.5%(18338/μL)と回復した.この間軽度の咽頭痛を訴えるのみで発熱なく,その後の妊娠経過は問題なかった.【考察】骨髄所見から,塩酸リトドリンは顆粒球系骨髄細胞の増殖機能に影響を与えるのではなく,成熟過程を障害すると推論された.治療にはG-CSFが有効と思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 220-220, 2010


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