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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
産科治療・その他
・塩酸リトドリン予防内服投与にて横紋筋融解症を発症した前置胎盤の1例


草西 多香子, 中島 義之, 千葉 純子, 袖山 雅子, 都築 陽欧子, 本田 能久, 坂井 昌人, 正岡 直樹
東京女子医科大学八千代医療センター母性胎児科


塩酸リトドリンの容量依存的副作用の一つとして横紋筋融解症が知られている.これまで塩酸リトドリンの点滴投与による症例や筋ジストロフィーなどの神経筋疾患合併妊婦の発症症例しか報告されていない.今回我々は神経筋疾患の合併のない妊婦に対する塩酸リトドリンの予防的内服投与にて横紋筋融解症を発症した前置胎盤の1例を経験したので報告する.
症例は30歳0回経妊0回経産.妊娠23週,前置胎盤と診断され,前医にて塩酸リトドリン予防的内服投与(15mg/day)を開始した.妊娠29週に警告出血を認め,当院入院し,塩酸リトドリン点滴(50μg/min)開始した.数時間後,入院時血液検査の結果がCK 7,200IU/L,CK-MB 208IU/L,AST 163IU/L,ALT 74IU/L,LDH 536IU/Lと判明し,ミオグロビン尿615ng/mlも認め,横紋筋融解症と診断し,直ちに塩酸リトドリン投与中止し,硫酸マグネシウム点滴に変更した.なお,神経内科専門医,リウマチ専門医にコンサルトし,神経筋疾患や膠原病の存在は否定された.翌日,四肢の筋肉痛を訴え,血中CK値は87,300IU/Lと上昇し,前置胎盤による約500gの出血を認めたため,緊急帝王切開術を施行し,1,134gの女児Apgar score 1分後2点(5分後5点)を分娩した.分娩後,筋肉痛消失し,術後8日目,血中CK107IU/Lと正常値となり,退院となった.
外来診療において,塩酸リトドリン内服投与を行う機会は多いが,横紋筋融解症の発症を見逃さないよう,慎重を要する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 220-220, 2010


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