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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
合併症妊娠@
・胸部症状を契機に選択的帝王切開を施行した肺高血圧症合併妊娠の一例


怒谷 麻理子, 谷垣 伸治, 黒田 恵子, 松尾 典子, 橋口 和生, 岩下 光利
杏林大学産婦人科


【緒言】肺高血圧症は確定診断後の平均生存期間は2-3年といわれ,また妊娠中に発症した場合の母体死亡率は30-50%であり人工妊娠中絶の適応になることも多い.【症例】38歳1経妊1経産 肺高血圧症の既往あり,妊娠継続はすすめられない状況であったが妊娠継続の希望が強く内服薬にて外来経過観察としていた.妊娠26週6日全身倦怠感,嘔気,めまい,四肢浮腫増強を自覚し来院,肺高血圧症増悪と考え緊急入院とした.【入院後経過】入院時血圧174/100mmHg ECG上右心負荷ありNYHA2であった.安静にてBp140/90mmHg台に安定した.妊娠30週0日,ECG上約1分間の心室性頻拍,胸部圧迫感,呼吸困難感,全身倦怠感,四肢浮腫増強が出現した.検査上心不全悪化所見ないものの,自覚症状増悪のため妊娠30週4日で選択的帝王切開とした.術後うっ血性心不全徴候を認めたが利尿剤により改善し,術後9日目に退院となった.【結語】肺高血圧症合併妊娠では妊娠の進行に伴い循環血液量が増加し妊娠30週前後で最大となるため心機能の悪化を認めることが多い.今回は各種検査で心機能評価を経時的に観察したが,その数値よりも自覚症状や理学的所見および産後増悪を加味して帝王切開術施行の時期を決定した.肺高血圧症合併のような母体死亡率のリスクの高い心疾患合併妊娠では,循環器内科,麻酔科,小児科との連携を図りながら安全な妊娠・分娩管理が望まれる.さらに重篤な心疾患をもつ女性には事前に妊娠によるリスクを十分に理解していただいたうえで妊娠の可否を決定すべきであり,また分娩後も心疾患の状態によっては避妊を強く勧める事が重要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 224-224, 2010


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