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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
合併症妊娠@
・腎機能不全と呼吸不全をきたした活動期SLE合併妊娠の一例


小林 祐介, 中村 晃和, 浅沼 亜紀, 佐々木 重胤, 松浦 眞彦, 宮川 康司, 山本 樹生
日本大学産婦人科


【はじめに】一般に全身性エリテマトーデス(SLE)は妊娠中,母体の免疫寛容状態や内因性ステロイドの増加のため軽快し,分娩後増悪すると言われている.しかし,必ずしもすべての症例に当てはまるとは限らず,妊娠中の増悪の程度は妊娠前のSLE活動性と相関するため寛解状態を確認する必要がある.今回,我々は活動期にあるSLE合併妊娠を経験したので報告する.【症例】21歳 2回経妊0回経産.前医にて特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と診断され妊婦健診を受けていた.妊娠15週頃に顔面,下腿浮腫,関節痛が出現し,採血上Hb:7.4g/dl,PLT:15.0×104/μl,CH50:13U/ml,ANA(+),抗カルジオリピン抗体(+),抗RNA抗体(+),尿蛋白3(+)のためSLE合併妊娠の疑いで当院に紹介となった.妊娠18週6日より血液膠原病内科にてSLE,抗リン脂質抗体症候群(APS)の疑いでプレドニン20mg/日 アスピリン100mg/日の内服を開始した.妊娠19週3日呼吸困難にて救急搬送されSLE急性増悪による肺臓炎,胸膜炎,ループス腎炎の診断でステロイドパルス(1000mg×3日)を行った.呼吸状態は改善したが,ループス腎炎による腎機能不全(BUN/Cre=34/1.1 CCr 34.7)は改善しなかった.その後症状は改善したが,妊娠23週4日,肺胞出血による呼吸不全をきたし血漿交換+ステロイドパルスによる加療を行い,呼吸状態が安定したため母体適応にて妊娠25週6日に帝王切開を行った.分娩後,補体は上昇し腎機能の悪化もみられず退院となった.【結語】今回,我々は活動期SLE合併妊娠を経験した.SLE合併妊娠は20人に1人の割合で妊娠中に生命にかかわるような重篤な状態になるとの報告がある.一般的に腎不全,心筋炎,漿膜炎が原因であるが,妊娠高血圧腎症やAPSに関連した合併症は危険である.妊娠中のSLEは活動性の変化を検知するために頻回に血液検査を行い,慎重な対応が必要であると思われる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 225-225, 2010


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