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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
合併症妊娠B
・胎児機能不全を呈した急性膵炎合併妊娠の1例


重城 真智, 原田 美由紀, 小松 篤史, 兵藤 博信, 亀井 良政, 藤井 知行, 上妻 志郎, 武谷 雄二
東京大学産婦人科


【緒言】妊娠に伴った急性膵炎は非常に稀であるが,診断,治療が遅れると重篤な経過をたどることが多く,注意を要する.今回,妊娠後期に胎児機能不全を呈した急性膵炎合併妊娠の一例を報告する.【症例】39歳3経妊1経産.膵炎既往なし.妊娠初期より他院で管理,経過は良好であった.妊娠37週0日,急な心窩部痛で緊急入院となった.胎盤早期剥離やHELLP症候群の所見はなく,血液検査などから急性膵炎が考えられた.入院時,児の状態は良好であったが,翌朝のNSTでaccelerationが乏しく,また,急性膵炎も重症化していると考えられ,当科へ母体搬送された.到着時,心窩部から右季肋部にかけて著明な圧痛および筋性防御を認め,アミラーゼ,CRP,トリグリセリド,総コレステロールが異常高値であった.NSTでaccelerationは見られず,胎児機能不全と判断し帝王切開で分娩の方針とした.急性膵炎は,帝王切開後にCTなどで重症度を評価し管理することとした.開腹時に乳糜様の腹水を認めた.児は2945g,Apgar 1(1')/7(5'),UApH 7.258.術後CTで,膵は全体的に腫大し腎下極以遠まで炎症が進展していた.検査所見と併せ,重症膵炎と判定された.ICUで補液,蛋白分解酵素阻害剤,持続的血液濾過透析などで治療し,術後9日目には軽快,21日目に退院となった.【考察】妊娠に伴う急性膵炎は,膵液増加,膵管内圧亢進や生理的高脂血症が誘因となっている可能性あるが,妊娠により頻度が増減するという確証は得られていない.胎児機能不全との関連性については報告がなく,急速遂娩は児の状態と急性膵炎の重症度により個別に検討すべきであろう.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 229-229, 2010


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