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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
合併症妊娠B
・妊娠中に急性腹症をきたした小腸腸重積によるイレウスの一例


塙 真輔, 小幡 新太郎, 麻生 佳子, 山本 憲子, 西方 紀子, 杉田 達哉, 田中 圭, 上杉 健哲, 松井 英雄
成田赤十字病院産婦人科


妊婦に急性腹症をきたす疾患として,急性膵炎や虫垂炎などがある.イレウスも原因となり,その発症頻度は2500-3500分娩に1件程度であるが,開腹歴のない場合には,10万分娩に1件と非常に稀な疾患である.今回我々は妊娠34週に急性腹症にて発症した小腸腸重積によるイレウスの一例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は,33歳2回経妊1回経産.前回妊娠時に,妊娠4カ月頃に腹痛を認めた.検査で血清アミラーゼ値の上昇を認め,膵炎疑いで近医の内科に入院し食事療法のみで自然軽快した.その後,妊娠39週に近医で経膣分娩となった.今回,近医での健診で,妊娠29週まで順調に経過していた.妊娠30週に上腹部痛で当院へ救急搬送となった.入院時,血清アミラーゼ値の上昇を認めたが,超音波検査及び臨床症状より膵炎の可能性は低いと診断された.入院後,安静のみで症状は軽快し,入院4日後に退院となった.退院後,血清アミラーゼ値は低下したものの軽度上腹部痛は継続していた.妊娠34週,突然の上腹部痛増悪で再度当院へ救急搬送となった.検査にてイレウスの診断となり,イレウス管を挿入し経過をみたが,症状の改善なく上腹部痛が持続した.再度検査を行い腸重積が疑われ手術(小腸切除術)を行った.術後経過は順調で,術後12日目に退院となった.その後,妊娠38週に自然陣発し経膣分娩にて出産した.妊娠中の急性腹症は,妊娠の影響によりその症状・検査成績は非定型的であり,診断が容易ではないことがある.しかし,治療の時期を逸すると母児ともに重篤な状態を招くことがある.妊婦における急性腹症では本疾患も疑う必要があると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 230-230, 2010


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