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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
子宮筋腫
・筋腫分娩による子宮内反症の一例


佐久間 洋1), 高橋 通1), 正田 滋信2), 梶原 健3)
埼玉県厚生連熊谷総合病院産婦人科1), 行田中央総合病院2), 埼玉医科大学3)


子宮内反症は分娩時に胎盤娩出困難例で起こることがあり,胎盤・臍帯の無理な牽引を避けるように言われている.非産褥時の報告も稀にあり,特に筋腫分娩での報告が見られる.今回我々は,重症貧血から見つけられた筋腫分娩に伴う子宮内反症の一例を経験したので布告する.【症例】48歳,1回経妊・1回経産.既往歴:34歳時:帝王切開.44歳時:子宮筋腫指摘受けていた.主訴:息切れ,動悸,倦怠感.経過:10ヶ月前より動悸あり,1ヶ月前から動悸強くなり,息切れも出現.前医受診.重症貧血(Hb2.4)として,近医より紹介.膣内に腫瘤が充満しており,可動困難であった.入院後,MRIで子宮底部は陥凹し,腫瘤が膣内と思われる部にあったことから,筋腫分娩による子宮内反症と診断.輸血,貧血改善後,腹腔鏡施行.卵管・円靭帯・片側卵巣等は子宮底とともに内反・引き刷り込まれており,LAVH試みるも,附属器・子宮底挙上困難.膣内の筋腫も押し上げられず,片側円靱帯・附属器の処置のみ行ったところで断念し,開腹.腹式子宮全摘出を施行した.病理結果は,“leiomyoma.”であった.経過良好につき,術後8日目に退院となった.【考察とまとめ】非産褥性の子宮内反症は,筋腫分娩による症例の報告がわずかに見られるが,稀には肉腫や癌等の合併も見られる.MRI等含めた術前診断を行い,慎重な対応が必要と思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 232-232, 2010


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