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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))
【一般演題】
子宮筋腫 ・子宮筋腫に対する集束超音波療法の再発に関する検討
竹内 沢子, 森田 豊, 内田 紗知, 室本 仁, 間瀬 徳光, 難波 直子, 上田 万莉, 疋田 裕美, 山本 幸彦, 石田 友彦, 丸茂 元三, 大橋 浩文
板橋中央総合病院産婦人科
子宮筋腫に対するMRIガイド下集束超音波療法(MRgFUS)は,症状を有する子宮筋腫に対する保存的治療法として,全世界で広く施行されつつある.昨秋,国内でも薬事承認を取得するとともに,日本産婦人科学会からの使用開始時トレーニングプログラムの認定も得られた.本治療は,侵襲が少なく手技に伴う合併症が少ないことや早期の社会復帰が可能であることから,多忙で治療時間がとりにくい女性に対し,有効な治療手段となりうる. 一方で,本治療法が,一部の筋腫を結果的に残存させてしまう治療法であるために,治療後の再発が一つの課題である.当科においてはこれまでに,当院倫理委員会の承認のもと,患者より十分なインフォームドコンセントを得て,2004年12月より190症例に対してMRgFUSを施行してきたが,治療開始当初より子宮筋腫病巣の辺縁近くまでの照射を行い,高い照射率(NPV)を得るよう努力してきた結果,本治療としては比較的低い再発・再燃率を得ることが可能であった.治療後,3年6ヶ月〜5年間の追跡調査を行った90例のうち,手術等の他の治療が必要となった症例は,6例(6.6%)であった. 数年後に再発が起きた場合に,偽閉経療法を施行できるような年齢であれば,侵襲の高い手術等を回避することもできる.年齢,症状,患者の社会的背景を含めて,適応症例の選択を行うことが重要であると考えられる.本治療の再発に関して,国内外における多施設共同研究での再発に関する報告も含めて考察したい.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2)
232-232, 2010
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