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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
子宮筋腫
・UAE後の子宮筋腫に重症感染症を生じ,肝機能障害を併発した一例


疋田 裕美, 森田 豊, 内田 紗知, 室本 仁, 間瀬 徳光, 難波 直子, 竹内 沢子, 上田 万莉, 山本 幸彦, 石田 友彦, 丸茂 元三, 大橋 浩文
板橋中央総合病院産婦人科


当院では,子宮動脈塞栓術(UAE)など,入院期間が短く侵襲の少ない治療法を導入し,治療の選択肢を広げる試みを行っている.しかし,稀ながら合併症を生じることもある.
今回,UAE後の子宮筋腫に重症感染症を生じ,肝機能障害を併発したが,子宮全摘術によって軽快した症例を経験したので報告したい.
症例は47歳,0経妊0経産.腹部腫瘤感,過多月経,貧血様症状があり,当院受診.MRIにて,最大直径16cmを有する多発性子宮筋腫を認め,症状や大きさから子宮全摘術を勧めたが,患者の社会的背景により長期入院を回避できるUAEを選択,十分なインフォームドコンセントを得た後,施行した.
治療後17日目より,腹痛,発熱が増強し,WBC16300/μl,CRP35.2mg/dlと極めて強い炎症所見を認め,筋腫の部位に一致して圧痛を認めた.入院させ,抗生剤,鎮痛剤を投与したが,症状や血液所見は改善せず,肝機能障害も併発した.治療後22日の所見では,ALP1741U/l,GOT96U/l,GPT140U/l,LDH440U/lとなり,また,凝固系も,プロトロンビン活性が55%と低下したが,血小板減少は認めなかった.保存的治療を断念し,同日(術後22日),子宮全摘出術を施行した.術後は,急速に炎症所見は消失し,肝機能障害も軽快した.病理組織では,子宮筋腫核に変性,壊死,化膿性炎症,細菌の集落が認められた.
本症例の肝機能障害の原因としては,薬剤性である可能性も否定できないが,重症感染症にともなうエンドトキシンによって生じた可能性も考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 233-233, 2010


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