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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
子宮内膜症・良性腫瘍
・手術既往による高度癒着にもかかわらず腹腔鏡下手術が完遂できた一例


佐藤 伊知朗, 永石 匡司, 久野 宗一郎, 山本 樹生
日本大学医学部(駿河台日本大学病院)産婦人科


近年,婦人科疾患の腹腔鏡下手術は増加しているが,手術既往症例に対しては予測される腹腔内癒着のために適応外とされることが多い.今回,卵巣腫瘍による下腹部の手術と胃癌による上腹部の手術の2回の手術既往があり,高度癒着があるにもかかわらず腹腔鏡下手術を完遂できた症例を経験したので報告する.症例は72歳,0経妊0経産,不正性器出血を主訴に前医を受診し,このとき左卵巣腫瘍と診断されたため当院に紹介受診となった.術前より腹部の癒着が予想されたため,臍窩下方よりのオープン法による腹腔へのアプローチを試みたが,腹膜に達するところで癒着する腸管が透見できたため,下腹部でのアプローチを試みた.恥骨結合上約5cmの前切開創より約10mmのオープン法で腹膜に達したところ,腹膜直下に小腸,大網,膀胱などの臓器のないことを確認できたので,腹膜を穿破した後,10mm径のトロッカーを挿入した.腹腔内には臍周囲を中心に上腹部から下腹部中央まで,小腸,大網の高度癒着を認めたが,下腹部下方に癒着はなかった.下腹部には左右の上前腸骨棘の内側3cmに2本,右鼡径部上外側に1本の5mm径トロッカーを挿入した.体内法により左付属器摘出術を行い,手術時間は1時間38分,出血量は少量で合併症もなく,手術を完遂できた.病理組織診断はmature cystic teratomaであった.手術既往症例であっても,癒着部位を想定してアプローチ方法を検討することで,安全に腹腔鏡下手術を行えると考えた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 235-235, 2010


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