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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
良性卵巣腫瘍
・卵巣奇形腫に合併した抗NMDA受容体脳炎の2例


友野 真理, 信田 政子, 成田 篤哉, 林 優, 近藤 朱音, 呉屋 憲一, 池田 仁惠, 平澤 猛, 村松 俊成, 石本 人士, 和泉 俊一郎, 三上 幹男
東海大学


【緒言】抗NMDA受容体脳炎は,主に卵巣奇形腫に関連して若年女性に好発する急性脳炎であり,中枢神経細胞のN-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体に対する自己抗体の産生によって発症する辺縁系脳炎である.今回我々は抗NMDA受容体脳炎の2例を経験した.【症例1】23歳,未婚,統合失調症様症状出現し精神科入院中,痙攣発作・意識障害にて救急搬送.ウィルス性脳炎の疑いで治療を開始.ステロイドパルス療法を施行後,徐々に意識レベルは改善した.原因ウィルス検索を行うも全て陰性,CT検査にて6cm大の左卵巣奇形腫を指摘,また急性期の血清・髄液中の抗NMDA受容体抗体陽性であったため当科依頼となった.第34病日に左付属器切除を施行.病理所見は成熟嚢胞性奇形腫であった.術後より精神症状も改善し,第51病日に退院となった.【症例2】21歳,未婚,3週間の微熱持続後,振戦・硬直・口唇ジスキネジア・奇異行動出現.神経学的検査陰性であり精神科通院中であったが症状増悪し,脳炎疑われ当院搬送.無菌性髄膜脳炎所見とCT検査にて3cm大の右卵巣奇形腫認め,抗NMDA受容体脳炎を疑いステロイドパルス療法1回施行後,第25病日に右付属器切除を施行.病理所見は成熟嚢胞性奇形腫,血清・髄液中抗NMDA受容体抗体は陽性であった.術後ステロイドパルス療法1回施行するも効果なく大量γ-グロブリン療法施行.現在効果認められず意識障害,不随意運動持続しており今後血漿交換療法を検討している.【結語】若年性の非ヘルペス性脳炎では,卵巣奇形腫の検索と早期の腫瘍切除を考慮すべきである.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 240-240, 2010


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