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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))
【一般演題】
良性卵巣腫瘍 ・卵巣腫瘍茎捻転の発症機序に関する検討
丸茂 元三, 内田 紗知, 室本 仁, 間瀬 徳光, 難波 直子, 竹内 沢子, 疋田 裕美, 上田 万莉, 山本 幸彦, 石田 友彦, 森田 豊, 大橋 浩文
板橋中央総合病院産婦人科
卵巣腫瘍茎捻転は,婦人科急性腹症をきたす疾患の一つとして重要である.茎捻転の原因を推定することは困難であるが,これまで報告された誘因として,急激に外力が加わった場合,体位変換,腹圧の変動などがあげられる.当院で経験した卵巣腫瘍茎捻転の症例から,術前の超音波,MRI,CTの画像を基に茎捻転を起こしやすい卵巣腫瘍の条件についてretrospectiveに検討し,茎捻転の発症機序を検討した.対象は平成18年1月〜平成21年12月に当科で手術を施行し,卵巣腫瘍茎捻転と診断された23症例で,患者の年齢,経産の有無,手術前の超音波,MRI,CTにおける卵巣腫瘍の位置と大きさ,組織学的診断,臨床経過について検討した.年齢は13〜59歳(平均34.0歳)で,未産婦は14例,経産婦は9例であった.腫瘍長径は5〜19cm(平均9.9cm).腫瘍の病理診断では類皮嚢胞腫(9/23 39.1%)が最も多かった.ダグラス窩以外の位置で捻転していた症例は18例(18/23 78.3%).類皮嚢胞腫は全てダグラス窩以外にあり,9例中8例は未産婦で,そのうち6例が急性発症し,1日以内に手術に至った.ダグラス窩にて捻転していた症例は5例(5/23 21.7%)で,腫瘍の長径は,6〜8cm(平均6.2cm),全例経産婦で,初発症状出現から手術まで1〜5日間であった.卵巣腫瘍茎捻転の発症機序として,ダグラス窩から子宮前方に腹圧の関係により移動が起こる時,捻転し発症する可能性が高いと推察された.また,6cm以上の未産婦の類皮嚢胞腫では,異所性かつ,より急性発症する傾向があることも示された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2)
241-241, 2010
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