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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
婦人科治療
・帝王切開および子宮筋腫核出術の際の癒着防止に対する試み


室本 仁, 森田 豊, 内田 紗知, 難波 直子, 間瀬 徳光, 竹内 沢子, 疋田 裕美, 上田 万莉, 山本 幸彦, 石田 友彦, 丸茂 元三, 大橋 浩文
板橋中央総合病院産婦人科


帝王切開や子宮筋腫核出術の既往のある症例では,その後の出産の際に帝王切開が選択されることが多い.初回手術の際に癒着が生じてしまうと,その後の帝王切開の際に癒着剥離による開腹時間の延長が生じたり,胎児の救命率にも影響をもたらすことが想定される.当院では,癒着防止材であるインターシード(IC)を積極的に使用し癒着防止を試みてきた.その効果について知見が得られたので報告する.我々は,2006年10月以降,帝王切開および子宮筋腫核出術全例に,患者からインフォームドコンセントを得てICを使用したが,それ以前は使用していなかった.そこで,帝王切開(108例),子宮筋腫核出術(17例)において,IC不使用群と使用群の両群間で,その後の帝王切開の際の癒着の有無について検討を行った.
初回帝王切開時,IC不使用群92例では,反復帝王切開時に,11例(12%)に高度癒着を認め,20例(22%)に軽度癒着があり,60例(66%)に癒着を認めなかった.初回帝王切開時,IC使用群16例では,反復帝王切開時に,1例(6%)のみに軽度の癒着を認めるのみで,15例(94%)において癒着は存在しなかった.
また,子宮筋腫核出術の際にIC不使用群6例では,その後の帝王切開の際に,5例(83%)に高度癒着を認め,癒着のない症例は1例(17%)のみであった.子宮筋腫核出術の際にIC使用群11例では,その後の帝王切開の際に,1例(9%)に軽度の癒着を認めたが,10例(91%)において癒着は存在しなかった.
以上より,帝王切開や子宮筋腫核出術におけるICの使用は,癒着を防止させる効果があることが明らかとなった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 243-243, 2010


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