関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
胎児異常
・妊娠16週で子宮内一児死亡となった後,生児を得た一絨毛膜二羊膜性双胎の一例


加藤 紀子, 長野 宏史, 藤岡 志水, 石黒 共人, 太田 武雄, 氏平 崇文, 永田 理恵, 太田 剛志, 荻島 大貴
順天堂大学練馬病院産科・婦人科


【緒言】今回我々は,一絨毛膜性二羊膜性双胎として管理中に妊娠16週で子宮内一児死亡となったが,妊娠を継続して生児を得た症例を経験した.【症例】37歳の1経産の妊婦であり,自然妊娠の一絨毛膜性双胎として妊娠9週に当科紹介初診となった.妊娠11週頃より胎児発育に差を認め,妊娠14週ではBPDが29mmと22mmと明らかな差を認めたため,頻回に外来管理をしていたところ,妊娠16週5日に子宮内一児死亡を確認した.母体および生存胎児にとって妊娠継続が良好かは不明であったが,妊娠継続の意志が強くそのまま外来管理となった.妊娠20週には生存胎児の左側腎臓に多発性の嚢胞を認め,多嚢胞性異型腎と診断した.その後の妊娠経過に問題なく,妊娠38週6日に自然経腟分娩となった.生存児は2646gの女児であり,死産児は体重9g,身長6cmであった.生存児に明らかな外表奇形を認めず,胎児期より判明していた左側腎臓多嚢胞性異型腎を認めるのみであった.現在は1歳1ヶ月となり,明らかな発育,発達異常を認めていない.【考察,結語】二絨毛膜性双胎と異なり,一絨毛膜性双胎の周産期予後は不良である.その上,一児の子宮内胎児死亡があった場合には妊娠中絶を選択されたり,健常児のために早期の出生とされる事が多い.この症例においては比較的初期の胎児死亡であった事と,健常児の発育が確認できたために妊娠継続をする事で生児を得る事ができた.子宮内一児死亡の症例において一絨毛膜性双胎の予後は不良である報告は多いが,今回のような生児を得る事ができた報告も散見されるため,胎児治療を含めた選択をそれぞれの症例で検討していく必要があると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 248-248, 2010


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会