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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))
【一般演題】
合併症妊娠C ・妊娠中に発症し化学療法を行った急性白血病合併妊娠の二例
北川 雅一1), 石寺 由美1), 古野 敦子1), 尾堀 佐知子1), 山口 瑞穂1), 田野島 美城1), 長瀬 寛美1), 井畑 穣1), 斎藤 圭介1), 奥田 美加1), 高橋 恒男1), 平原 史樹2)
横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター1), 横浜市立大学産婦人科2)
【緒言】妊娠中に白血病が発症する頻度は約10万分の1とされ,非常にまれである.妊娠中期に急性白血病を発症し,妊娠を継続しながら化学療法を行った二症例を経験したので報告する.【症例1】27歳,0回経妊0回経産.妊娠28週,妊婦健診時のスクリーニング血液検査で芽球が認められ,骨髄検査により急性骨髄性白血病M2と診断された.妊娠29〜30週にかけ寛解導入療法(Ara-C+DNR)施行,寛解中の妊娠35週に帝王切開で分娩した.児は2430g女児AFD,Apgar Score 9点(5分),合併症なく経過良好.母体は術後9日より化学療法を再開し,治癒後一年半で第2子を妊娠中.【症例2】36歳,2回経妊2回経産.前2回帝王切開.妊娠26週,妊婦健診時のスクリーニング血液検査で芽球が認められ,骨髄検査により急性リンパ性白血病,Ph染色体陽性と診断された.妊娠27〜30週にかけ寛解導入療法(VCR+CPA+DNR)施行.可及的早期に次回化学療法が必要なため,ベタメタゾン投与後に妊娠32週に帝王切開で分娩した.児は1526g女児AFD,Apgar Score7点(5分),一過性多呼吸に対し一時呼吸管理を要したが,その後経過は良好.母体は術後11日より地固め療法を開始,現在骨髄移植を待機中である.【まとめ】白血病合併妊娠では,母体の白血病治療が優先され,完全寛解に向けた早期診断・早期治療開始が重要である.発症時期によっては今回の症例のように妊娠継続中の化学療法を要し,骨髄抑制からの回復や次回治療の開始時期および妊娠週数などの状況を考慮し児娩出時期を検討する必要がある.妊娠中の化学療法は多数の症例報告があるが,IUFD例もあるとされ慎重な管理が必要である.児の長期予後などについては今後も検討を要する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2)
257-257, 2010
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