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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))
【一般演題】
妊娠合併症 ・子宮筋腫が妊娠および分娩の経過に及ぼす影響についての検討
堀井 真理子, 真島 実, 彦坂 慈子, 漆原 知佳, 秋谷 文, 熊耳 敦子, 酒見 智子, 塩田 恭子, 齊藤 理恵, 佐藤 孝道
聖路加国際病院産婦人科
【目的】子宮筋腫の合併が妊娠や出産の経過に及ぼす影響を明らかにすること.【方法】2007年1月から2008年12月の2年間に当院で妊娠12週に子宮筋腫を指摘された78例から,その後の転院12例,多胎3例,流産4例を除いた59例を対象とし,筋腫の大きさと分娩週数,方法,出血量,出生児体重の関係について後方視的に検討した.【結果】研究対象の年齢分布は29-44歳,平均36.4±3.2歳.初産婦52例,経産婦7例,筋腫が5cm以上であるのは26例(44%,以下A群),それ以外は5cm未満(B群)であった.早産率に関しては,A群15%(4/26),B群3%(1/33)であった.分娩直前まで骨盤位であったのはA群12%(3/26),B群0%(0/33)であった.胎盤位置異常として前置胎盤はA群4%(1/26),B群0%(0/33)であった.帝王切開率はA群54%(14/26),B群36%(12/33),弛緩出血の頻度はA群58%(15/26),B群45%(15/33)であった.【考察】子宮筋腫が5cm以上ある場合は,早産率,胎位異常,胎盤異常,帝王切開率,弛緩出血のいずれの場合も筋腫5cm未満と比較してそれぞれの頻度が高くなる.筋腫の大きさが大きいほど妊娠経過および分娩に与える影響が高くなる可能性が示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2)
259-259, 2010
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