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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
婦人科・その他
・鼠径部腫瘍を発症した真性半陰陽の一例


鶴賀 哲史, 川名 敬, 有本 貴英, 土谷 聡, 中川 俊介, 大須賀 穣, 矢野 哲, 上妻 志郎, 武谷 雄二
東京大学女性外科


【緒言】性分化異常症の性腺は腫瘍を形成することが多い.26年前に臨床的に真性半陰陽と診断され,右鼠径部にセミノーマを発症した症例を報告する.【症例】49歳未妊婦,既婚.先天性緑内障,IgA腎症(慢性腎不全)合併.23歳時,原発性無月経を主訴に他院を受診した.陰核肥大に対して陰核切除術を受けた.同時に性腺摘出のために腹腔内の検索が行われたが,性腺組織は摘出されなかった.内性器の所見(委縮した子宮と卵管と精管)とホルモン負荷検査の結果から臨床的に真性半陰陽と診断された.術後は婦人科を受診せず,近医内科処方の黄体・卵胞ホルモン混合製剤を内服していた.術後26年後の49歳時,右鼠径部腫瘤を自覚し,精査加療目的で当科外来を受診した.外陰部は女性型で,超音波で子宮を認めた.核型は46, XYだった.PET検査で鼠径部腫瘤の内部に異常集積を認め,鼠径部の悪性腫瘍と診断した.CT検査で他に病変を認めなかったため,手術治療の方針とし泌尿器科と合同で鼠径部腫瘍摘出術を行った.腫瘍は停留精巣に発生したセミノーマであり,精巣腫瘍I期と診断した.術後補助療法は行わない方針とし,外来で経過観察を行っている.【結語】真性半陰陽の性腺摘出のために腹腔内の検索を行ったものの摘出できず,術後26年目に鼠径部の性腺にセミノーマを発生した症例を経験した.性分化異常症の性腺は,腹腔内や外陰だけでなく鼠径部も含めて検索する必要がある.また診断確定後は性腺腫瘍発生に注意して定期的な診察を行うべきであり,そのためには良好な医師患者関係を構築することが重要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 261-261, 2010


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