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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
婦人科・その他
・MRI画像と超音波画像とのreal-time image fusionにより診断した子宮憩室の一例


倉田 章子, 長野 浩明, 高木 耕一郎
東京女子医科大学東医療センター産婦人科


子宮憩室は多くは妊娠後に生じる後天性嚢胞と考えられ,真の子宮憩室は非常に稀であるといわれる.今回我々は妊娠に関連しない真の子宮憩室の症例を経験したので報告する.症例は43歳で性交渉の経験の無い女性.合併症に強迫神経症,うつ病があり,トイレに閉じこもり便座に一日中座っている状態であった.不正出血の持続と腹痛,尿閉を主訴に近医総合病院を救急車で受診し,CTにて子宮腫瘍を認めたため当科紹介受診となった.同日当科入院し,超音波検査にて子宮は11×8cm大で内部に大量の血塊を含んでいた.悪性疾患との鑑別のため静脈麻酔下に子宮内の血塊除去(約250g)と子宮内膜組織診を施行したが,翌日には子宮内に再度血塊の貯留を認めた.子宮内膜組織診の結果では異常を認めなかった.その後のMRI検査にて子宮頸部から腹側に突出する腫瘤性病変(10×9cm)を認め,LOGIQ E9超音波診断装置を用いてMRI画像と超音波画像とのreal-time image fusionによる観察から子宮憩室と診断した.子宮出血が持続しコントロールされないことと,妊孕性の温存の希望が無いことより,腹式単純子宮全摘出術を施行した.標本は452gで病理組織学的では腫瘤内腔側に子宮頚管上皮細胞,腫瘤壁に子宮筋腫様の平滑筋の増生を認め,子宮下節の腹側正中線上で腫瘤内腔と子宮腔との間に交通を認めたことより,子宮憩室と診断した.MRI画像と超音波画像とのreal-time image fusionは希有な子宮奇形の診断にあたり,有用であると考えられた.本学会では本症例の提示とともに,文献的考察もあわせ報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 263-263, 2010


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